晴れ晴れ生活のつくりかた研究室

プロカウンセラー歴15年以上のアラフォーパパのブログ。読者も私も前向きになれる記事を書きたい。純粋な気持ちです。

もう人間関係で悩まない…!! 自分も相手も大切にする「アイメッセージ」のすすめ

   あなたには、人間関係やコミュニケーションについて、次のような悩みや葛藤はありませんか?  

 

  「素直になれない…」「言った後、言い過ぎたと後悔してしまう…」「気持ちを伝えられずスッキリしない…」「そんなつもりじゃなかったのに、相手を不快にさせてしまった…」「相手に流されてしまって、我慢ばかりしている…」etc.…

   

  1つでも思い浮かぶ あなたへ…

 

   そんな悩みに応えてくれる技法が「アイメッセージ」です。

 

   私がビジネス、プライベート問わず、コミュニケーションにおいて、もっとも大切にしているのが「アイメッセージ」。家族や職場のチームでも「アイメッセージ」の考え方を共有し、コミュニケーションを円滑にしています。

 

   今日は「アイメッセージ」について、具体的かつ実践的にご紹介します。

 

   普段から意識をすることで、きっと、人間関係の悩みが解消したり、あなたの感じるストレスが軽減したり…プラスの変化が多く生じるでしょう。

 

  ぜひご覧いただければ幸いです。

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 アイメッセージとは何か?

   文末の参考文献をもとに、私の経験を踏まえて実践的に話をします。

 

   まず、あなたは「アイメッセージ」と聞くと、どんなことを想像しますか?

 

   もしかしたら、iPhoneの「iMessage」を思い浮かべた方もいるかもしれません… タイトルを見て、それを期待された読者の方には、申し訳ないです。

アイメッセージとユーメッセージ

   アイメッセージは「I=私」で、「私メッセージ」という意味です。

 

   私メッセージ??…  これはこれで、漠然とした言葉ですよね。

 

   もう少し具体的にいうと、「私を主語にしたメッセージ」ということです。

 

  「私は 〜 です」とか「私は 〜 だと思う」という表現をすることです。

 

   対して、相手を主語にした表現、「あなたは〜です」というものを、「ユー(YOU)メッセーと言います。

 

   実は、互いの思いがすれ違ってしまう時など、コミュニケーションが上手くいかない場合は、かなりの確率で「ユーメッセージ」が用いられてしまっています。

 

   例えば

  1. 仕事が遅い人に ←「もっと早くやりなさい」
  2. 声が小さい人に ←「もっと大きな声で話しなさい」
  3. 話を聞いてくれない人に ←「話を聞く気がないの?」

   などは、すべてユーメッセージです。

 

  1. (あなたは)もっと早くやりなさい」
  2. (あたたは)もっと大きな声で話しなさい」
  3. (あなたは)話を聞く気がないの?」

   と、すべて主語が「あなた」になります。

 

   では、これをアイメッセージにすると、どうなるでしょうか? 

 

   実は…

  1. 「相手の仕事が遅いと思っている」
  2. 「相手の声が小さいと感じている」
  3. 「相手に話を聞いてほしいと思っている」

   すべて主語は「私」なんですよ。

 

   これを素直に表現すると

  1. (私は)(あなたに)急いでほしいと思っている」
  2. (私は)(あなたに)声を大きくしてほしい」
  3. (私は)(あなたに)話を聞いてほしい」

   となります。とってもシンプルですよね。

 

   また、アイメッセージになることで、

  1. 「納期に間に合わないのが心配だから、急いでほしいと思っている」
  2. 「声が聞こえにくいから、声を大きくしてほしい」
  3. 「大事な話をしているから、話を聞いてほしい」

   と、理由や気持ちが、自然と言葉に添えられます。

アイメッセージの効果・効能

   とってもシンプルなアイメッセージの考え方ですが、その効果は驚くほどに高く、効能の範囲もとても広いのです。

 

   特に、私が実感する事をご紹介します。

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①相手を不快にさせる事が減る

   ユーメッセージは、本来自分が感じたり、思ったり、お願いしたいことを、あたかも相手がそうしているように、そうすべきように、断定的に決めつけてしまうものです。

 

   相手に対して、操作的な表現と言えます。

 

   すると、相手は一方的に押し付けられた気分になり、「なぜそんなことをいわれるのか?」「そんなつもりはないのに」「余計なお世話」などと、反発したり、困惑したり、落ち込んだりします。

 

   その結果、お互いに気まずくなったり、後味が悪くなることに繋がっていきます。

 

   なお、アサーションの記事で紹介したアグレッシブな自己表現は、ユーメッセージになっていることが多いです。

 

   一方、アイメッセージには、そんな気まずいコミュニケーションを予防する力があります。

 

   さらに、アイメッセージを意識してコミュニケーションをとっている相手が自分に対して示すユーメッセージにも敏感になります。

 

   例えば、何か決め事を調整する時に、相手から「あなたは~を選んだ方がいいのでは?」とか「あなたに~は必要ですか?」などと連発されると、私は正直不快になります…。 

 

   心の中で「自分のことは自分で決めるから、こちらに踏み込んでくるな」「あなたがしたい理由を私に押し付けるな」「私がしたいと思ったから聞いているんだけど…」などと思ってしまいます(結構ひねくれてますかね。苦笑)。

 

   ちなみに、そう感じたときは「私の気持ちは~だから、~したいと思っています」と、はっきりと自分の気持や意見を相手に伝えています。

 

   その上で、「それでもあなたが~を進めてくれるのは、~さんにも、何か思いとか考えがあるのですか?」と相手のIメッセージを引き出すようにしています。

 

   アイメッセージを意識することで、相手のユーメッセージに押されてしまって後々ストレスを感じたり、相手のユーメッセージに反応してこちらも感情的なユーメッセージになってしまったり… などの悪循環を防ぐことができます。

②気持ちを伝えられなかったという自己不全感が残らない

   こちらは、特にノンアサーティブな自己表現をしがちな方に、効果がはっきりと現れます。

※ノンアサーティブもアサーション関連の記事で紹介しています。

 

   相手の気分とか、自分に対する評価を気にしすぎたり、自分に自信がなかったりすると… 自分の意見を上手く言えなくなりませんか?

 

   すると、自分の口からは、かなりの確率でユーメッセージが出てきます。「相手が自分の望むようなことを言ってくれるといいな…」という淡い期待とともに…

 

   例えば、忙しい時期に同僚から追加の仕事を頼まれ、本音では「うわっ!絶対無理… 相当きつい…」と感じた場合を想像してください。

 

   同僚の気持ちなどを気にしすぎると、あなたは「えっと?手伝えなくはないけど…そんなに急ぎの仕事なの?」などと聞き返してしまいます。すると、同僚から「そうなんだよ~。よろしく!」と言われて、かなりの確率で手伝うことになります。

 

   何となく周囲に流されてしまったような…自分に対する不全感が残りませんか?

 

   この時の「えっと?手伝えなくはないけど…そんなに大事な仕事なの?」は、完全にユーメッセージです。相手に判断を委ねているのです。

 

   自分の気持ちを主張する勇気を持てなくて、相手から期待する言葉が話されることを、ただただ祈っているだけの状況なのです。

 

   これを、アイメッセージに置き換えると、「あなたは忙しいかもしれないけど、私も相当きつくて、正直手伝える自信がないのだけど…」とか「実は私もいっぱいいっぱいで…手伝えないのはとっても心苦しいのだけど」という表現になります。

 

   その結果、相手が引き下がる可能性もありますし、それでも手伝ってほしいと頼まれるかもしれません。しかし、相手の反応は大きな問題ではありません。

 

   大事なのは、最終的に手伝うことになったとしても、

自分の気持ちや状況を伝えた上で、決まったことであれば、流されてしまったという不全感が少なくなる

   ということです。

③自分も相手もアイメッセージを使うと人間関係が深まる

   アイメッセージによるコミュケーションは人間関係に良い循環をもたらします。

 

   第一に、互いに「自分の気持ちを伝えることができた」というスッキリ感と、「自分の気持ちを否定されなかった」という安心感を持つことができます。

 

   第二に、「相手も気持ちを正直に言ってくれる」という体験を繰り返すことによって、「相手はどう考えているんだろ?」と悩むことがなくなり、率直に自分の気持ちや意見を言えるようになります。

 

   すると、自分の気持ちや意見を素直に言えることで、心に余裕ができるため、本当の意味で相手のことを尊重したり、気遣うことができるようになります。

 

   これによって信頼関係がどんどん深まっていくという好循環をもたらします。

 

   まさに「自分も相手も大切にするアサーティブな自己表現」なのです。

※アサーティブな自己表現についても、アサーション関連の記事で紹介しています。

④建設的なアイデアや提案が生み出される

    こちらは③をビジネスの視点で見た場合です。

 

   相談や打合せなどの場面で、アイメッセージを意識して自己表現をすることで、互いの考えや理由などがよくわかり、その情報をもとに、メンバーが納得できる折衷案に近づいたり、新たなアイデアが生み出されることに繋がります。

 

   言い換えれば、生産的なコミュニケーションです。

 

   反対に、ユーメッセージは「自分をさらけ出さない表現方法」と言えるため、ユーメッセージで行われる相談や打ち合わせは、互いの探り合いであったり、反対に、一方的なトップダウンであったり、それぞれのメンバーの思いや意見が表現されなくなってしまうため、少ない情報しか生み出されないコミュニケーションとなってしまいます。

 

   なお、ビジネスではユーメッセージを使う方が即効性が高い場面もあります。例えば、お客様目線で「あなたにとってメリットがある」等のプレゼンを行うときなどです。

 

   しかし、そのような場面でも、アイメッセージを意識することは大切です。

 

「私は~という理由で、あなたにとってメリットがあると確信している」「あなたが納得して商品を選んでくれると、私も嬉しい」など、熱意を示したり、親近感を持たせる効果があるからです。

 

   また、ユーメッセージは、一度相手のニーズから外れてしまうと、押しつけがましくなってしまう可能性が高いため、相当の準備、マーケティングが求められます。

 

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   本日はアサーティブな自己表現を行うために、私がもっとも大切にしている「アイメッセージ」についてご紹介しました。

 

   考え方はシンプルですが、いざやってみようとすると、中々上手くいかないこともあるかもしれません…

 

   ですので、まずは家族や友人など、緊張しない身近なコミュニケーション場面で、アイメッセージを意識してみてください。きっと効果を実感いただけると思います。

 

   自分が苦手とする人や緊張する人達に対しては、どうしても防衛反応が働いてしまい、ユーメッセージが登場しやすくなります。

 

   それでも、苦手な人たちに対して、アイメッセージができるようになると、コミュニケーションや人間関係について相当の変化を実感できるレベルになると思います。

 

   アイメッセージを意識したことで、私自身の職場や家庭での人間関係にどのような変化が生じたか?の実体験についても、今後の記事でご紹介したいと思います。

 

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参考:アサーション関連の記事

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自己表現のタイプ

アサーティブな自己表現

参考書籍

改訂版 アサーション・トレーニング ―さわやかな〈自己表現〉のために

改訂版 アサーション・トレーニング ―さわやかな〈自己表現〉のために

 
アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)

アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)