晴れ晴れ生活のつくりかた研究室

プロカウンセラー歴15年以上のアラフォーパパのブログ。読者も私も前向きになれる記事を書きたい。純粋な気持ちです。

相手を責める言葉、使ってませんか?「なぜ」「当たり前」etc…

   人に何かを質問する時… 自分ではそんなつもりはないのに、予想以上に相手が落ち込んだり、悲しんだり、怒ったり…そんな経験はありませんか?

 

   人に何かを教える時、説得する時… 相手を納得させるために力が入ってしまうことはありませんか?

 

   心当たりがある あなた…

 

  1. 質問の際に「なぜ?」「どうして?」
  2. 説得する際に「当然」「はずだ」

 

といった言葉を使っていませんか?

 

   今日は「なぜ?」「当然」といった、質問や説得の際に、相手を責めるニュアンスになりやすい言葉について、解説をします。 

 

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我が家での出来事

   先日、子どものランドセルのストラップが破れているのを、妻が見つけました。

 

  •    妻「なんで破れてるの?!」
  •    子「分からない」
  •    妻「分からないってなに?」
  •    子「分からないんだもん」
  •    妻「どうしてこんなことになってるのかを、きいているの!!」
  •    子「分からないけど」 
  •    妻「分からないってなんだ??学校で雑に投げ捨てたりしたはずだ!!」
  •    子「うーん…」

 

   というやりとりがしばらく続き……   最後は、子どもが「学校でランドセルを背負った時に、机に引っかかった気がする」と言いました。

 

   そして、妻に「もっと丁寧に扱いなさい」と注意を受けて収束。

 

   子どもは涙目になっていました。「妻も言いすぎたかも…」と気にしていました。

 

   その後、私は妻と話しをして……妻がランドセルをいつも綺麗に拭いたり、子どものためにしてくれていることを労いました。

 

   また、子どもと「次からどうしよっか?」と一緒に考えました。ランドセルを学校でロッカーにしまう時や、取り出すときに、「何かに引っかかってないか見るようにする」と、自分で考えた子どもに対し、「えらいね、ママも喜ぶよ」と褒めました。

 

皆さんは次の表現を使わずに、コミュニケーションが出来ますか?

 

  1. 「なぜ〜」「どうして〜」
  2. 「当たり前」「はずだ」「当然」  

   

   いかがですか?結構普通に使っている言葉ですよね。

 

   私は、1については、あまり使わないように意識しています。でも、2については、結構使っている場面が多いかもしれません。

 

   実はこの2つの言い方は、私のブログでお勧めしているアサーティブな自己表現どころか、アグレッシブな自己表現に陥りやすいものなのです。   

 

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「なぜ〜」「どうして〜」は相手を責めるニュアンス

   「なぜ〜」とか「どうして〜」というのは、一見ただの疑問文です。純粋に理由や状況などを聞きたいときに、何気なく使用している言葉ですよね。

 

   でも、実は……  質問する側に「そうするべきではなかった」とか「どうしてそうなっているか理解できない(したくない)」など、相手を責める気持ちが込められている場合が多々あります。

 

   ですので、あなたに責める意図がなかったとしても、相手は責められたと感じてしまう可能性があります。

 

   すると、相手は腹を立てたり、怯えます。

 

   結果、あなたは、相手の素直な気持ち、正直な気持ちを知る事が出来なくなってしまいます。

 

アイメッセージに置き換える

   では、どんな伝え方をすれば良いのか?

 

   私が最も有効だと思うのは、アイメッセージの表現に置き換えることです。例えば次のような言い方です。

 

  •    (私は)あなたが〜した気持ちや理由を知りたい。
  •    (私は)あなたの正直な気持ちを教えてほしいと思っている。

 

などです。全然ニュアンスが違う気がしませんか?

 

非言語メッセージを穏やかにする  

   アイメッセージがしっくりこない人、「なぜ〜」「どうして〜」が自然に出てきてしまう人は、次のことを意識しましょう。

 

  •    話すスピードをゆっくりにする
  •    声音をちょっとだけ高くにする
  •    表情を和らげる

 

コミュニケーションは、言葉の内容よりも、非言語メッセージ(例えば、表現、声の大きさ、姿勢など)で伝わる情報の方が多いのです。なので、言葉は同じでも、非言語のメッセージを穏やかにすることで、伝わるニュアンスがかなり変わります。

 

   もし、上の2つの方法を、どちらも選びたくない場合は……  たぶん、相手を責めたい、問い正したい、という思いを持っている可能性があります。

 

   そうであれば、わざわざ「なぜ〜?」などの疑問文にはせずに、「〜のつもりでやったなら、私は間違っている思う」などと、アイメッセージに変換して、自分の意見を伝えることをお勧めします。

 

「当たり前」「はずだ」「当然」「絶対」は決めつけるニュアンス

   「〜するのは当然です」「〜になるはずだ」などの表現を使う時、あなたはどのような気持ちになっていますか?

 

   「相手を何とか説得したい」「思うようにコントロールしたい」などの気持ちはありませんか? また、「相手よりも自分が絶対に正しい」という気持ちはありませんか?

 

   もし、その気持ちがあるのであれば、使う場面や使い方を少し意識してみることをお勧めします。

 

   確率や程度によりますが、世の中に絶対という事はありません。

 

   また、そもそも、相手に何かを求めたり、説得したいと思っているのは、他でもなく、あなた自身です。

 

   にもかかわらず、「当たり前だ」などの言い方をするのは、例えば、世間の常識など、見えない他者の力をかりて、数の論理で相手を抑えつけようとする表現です。

 

   さらに、この言い回しや考え方は、例えば、子どもや部下など、自分よりも立場が弱い人に使用してしまう傾向があるので、要注意です。

 

アイメッセージに置き換える

   では、どんな表現が望ましいのでしょうか?

 

   ここでも、Iメッセージの出番です。

 

   例えば、ご飯を残してしまう子どもに対して

 

  1. ご飯を食べないと絶対に元気になれないよ
  2. ご飯は残さず食べるのが当たり前

 

などと表現しているのであれば、(私も結構使ってしまいますね……苦笑)それをアイメッセージに変換します。

 

  1. ご飯を食べない子は、元気になれないと(私は)思うから、食べて欲しい
  2. 一緒懸命作ったから、残されると(私は)悲しいな…、だから食べて欲しい

 

といった表現ですね。

 

   こうすることで、相手を抑えつけるような表現を避けることができます。

 

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   今日は「なぜ〜」、「当たり前」などの言葉に関して、その言葉がもつネガティヴな側面について、お伝えしました。

 

   もちろん、子どもが危ないことをしている時など、即効性のある強い言い方で、直ぐに言うことをきかせたい場面もあると思います。

 

   また、論文やプレゼンなど、根拠をもとに、言い切った方が良い場面もあります。

 

   私は、これらの言葉を全く使わない方がいいとは思ってません。

 

   ただ一つ……  これらの言葉が持つネガティヴな側面を意識していただき、アイメッセージに変換して表現することが可能かを、ちょこっと考えていただければ……、と思っています。

 

   あなたにその気がないのに、相手を不快にさせたり、怯えさせたりすることが続くと、きっとあなた自身が後悔することになるからです。

 

   ぜひ、ご自身の気持ちに向き合い、その上で、自分がスッキリするような自己表現を心がけてください。

 

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参考図書

アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)

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