ストレスと上手に付き合うための講座⑤「あなたのストレスパターンを知ろう」
こんにちは。ハレバレです。
第5回目は「あなたのストレスパターンを知ろう」です。
前回、コーピングの4つの分類をご紹介した流れからいうと、それぞれのコーピングのやり方を説明する回になるのですが、ここで一呼吸。今回は、自分のストレスパターンを知ることに重点をおきたいと思います。
自分の陥りやすいパターンを理解すれば、自分に合ったコーピングを選択することができるので、ぜひ参考にしてくださいね。
ストレスのツボは人によって違う
過去の記事でお話しした通り、同じ出来事(ストレッサー)でもストレスの感じ方は人それぞれです。
ストレスを感じやすい人がいれば、感じにくい人もいます。
また、ストレスを感じやすい人でも、実は感じやすさの傾向は異なっています。
例えば、「仕事が上手くいかない」状況で、多くの方がストレスを感じると思います。しかし、感じ方は「不甲斐なさに腹が立つ」「周囲に迷惑をかけたと思い落ち込む」「上司の評価が下がるかもしれないと不安」などなど…様々です。
つまり、人によってストレスを感じるツボが違うわけです。
自分のツボをしっかりと理解しておくことが、上手なストレスケアの第一歩なのです。
ストレスを感じるツボを知る効果
ストレスを感じるツボを知ることには
- 予防の効果
- 対処の効果
- 自分を変える効果
3つの効能があります。
例えば、「主張を強く言う人が苦手」という自分のツボを理解している場合を考えてみます。
①予防の効果
そういう人と一緒に作業をしないようにする、違うグループに入ろうとするなどの回避策を検討できます。
さらには、主張をされないように話す流れを準備しておくなどの、具体的な対抗策を用意することもできます。
まさに、予防の効果です。
②対処の効果
そういう人と接した後に、「イライラしてしまう」「疲れてしまう」などが予想できていれば、その人との用事のあとに、「別の友人と食事に行く約束をする」「アロマでリラックスする」などの息抜きを設定しておくことができます。
また、「何か言われても、ああいう人だから仕方がないと割り切る」「主張されても、言い返すことを決めておく」など、その場でできる対処法を事前に考えることができます。
まさに、対処の効果です。
③自分を変える効果
自分を変える…これが一番の効果です。人の考え方や行動は一足飛びに変わるわけではありません。しかし、①②を意識した実践の積み重ねによって、経験に裏付けられた実感をもって、あなたの行動や考え方は変わっています。
もともとは、「主張の強いAさんは苦手だ。会うだけで疲れてしまう。なんであんなこと言うんだろう。責められているみたいで嫌だなぁ」と落ち込んでいただけだったのが、徐々に「Aさんはあんな人だから仕方ない。自分にできる予防と対処を考えよう」とか「自分は直ぐに責められていると捉えがち。Aさんはそんなつもりはないのかも?」などと、より適応的な思考や行動に変わっていくのです。
ストレスパターン診断テスト
それでは、自分がどんな時にストレスを感じるかを「ストレスパターン診断テスト」で確認してみましょう。
この講座の参考図書である田中ウルヴェ京ら「ストレスに負けない技術」(2011)から引用します。
次の質問に四段階で点数をつけていってください。
まったくそうでない・・・0点
あまりそうでない ・・・1点
ある程度そうである・・・2点
まったくそうである・・・3点
- 仕事が思ったように進まず、イライラしていることが多い
- 優秀な人と自分を比較して、落ち込むことが多い
- 日々の自分に充実感を感じない
- 失敗すると、長いこと落ち込んでしまう
- 一つの失敗もしたくないので、いつも緊張して仕事をしている
- 欠点を誰かに指摘されると、とにかく不快である
- いまの仕事は自分に向いていないと感じ、気がめいることが多い
- 周囲の人が自分の考えを分かってくれず、いらつく場合が多い
- 失敗することを恐れ、行動が消極的になりがちである
- ミスしないよう、何事にも完璧を期そうとする
- 自分の意見に誰かが反論すると、相手に不快感を覚える
- 失敗をしたとき、「あの時こうしておけば」と悔やむことが多い
- 店や銀行などで順番待ちするのは、いらつくので嫌いだ
- 将来に対し、漠然とした不安を感じている
- 誰に対しても気を使う方だ
- 自分の能力に自信をもっていない
- 少しでも他人から無視されると、腹が立って仕方がない
- 上司、先輩から叱られると、ずっと気にしている
- 行動の遅い人を見ていると、イライラして仕方がない
- 毎日の仕事に楽しさを感じない
- 仕事は絶対に手を抜かない
- ミスを恐れ、行動が慎重になりすぎる傾向がある
- ちょっとしたミスでも、強く責任を感じ、悔やむ
- 上司、先輩から注意されると、ムカッとなる
質問に点数をつけたら、それぞれのタイプごとに点数を合計してください。
点数が高いほど、あなたにとって傾向の強いタイプとなします。
イライラ型(自己過信型)
問題番号:1、8、13、19
オドオド型(自己喪失型)
問題番号:2、9、16、22
クヨクヨ型(過去悔恨型)
問題番号:4、12、18、23
モンモン型(未来不安型)
問題番号:3,7,14,20
ヘトヘト型(疲労困憊型)
問題番号:5、10、15、21
ムカムカ型(人間関係誤解型)
問題番号:6、11、17、24
少ない質問数であること、あなたの主観で回答してることから、私の見解としては、必ずこのパターン!と言い切ることはできないと思っています。
しかし、自分を見つめ直す一つの指標になることは間違いありません。
次回は6つのストレスタイプについて、具体的に説明をしていきますので、ぜひ自分のストレスのツボについて、理解を深めてくださいね。