晴れ晴れ生活のつくりかた研究室

プロカウンセラー歴15年以上のアラフォーパパのブログ。読者も私も前向きになれる記事を書きたい。純粋な気持ちです。

遠慮がちな人に多い非主張的(ノンアサーティブ)自己表現とは?ストレスに要注意。

   先日の記事で、あなたのコミュニケーションの傾向をチェックいただきました。

 

   人に気を遣って「自分の意見や気持ちを抑えてしまう」「その場の雰囲気に流されてしまう」などの非主張的(ノンアサーティブ)自己表現について、該当する点があった方も多いのではないでしょうか?

 

   今日は、日本人には特に多いとされる「非主張的(ノンアサーティブ)自己表現」の特徴を解説します。

 

   ストレスを蓄積しやすいのが特徴なので、しっかり理解して、アサーティブな自己表現への転換に役立てていただければ幸いです。

 

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コミュニケーションの傾向のチェック

   過去の記事で、自己表現の3つのタイプについてご紹介しました。併せて、20の質問に答えていただき、あなた自身の傾向を考えていただきました。

 

   必須ではありませんが、過去記事をご覧いただくと、より理解が深まります。

3つの自己表現のタイプ

   以下に簡単にまとめます。

①非主張的(ノンアサーティブ)自己表現
  •    自分よりも他者を優先し、自分は後回しにする自己表現。
  •    自分の思いを引っ込めてしまい、状況や周囲に流されてしまいがちな自己表現のタイプ。
②攻撃的(アグレッシブ)自己表現
  •    自分のことだけをまず考えて行動し、時には他者を踏みにじることにもなる自己表現。
  •    ノンアサーティブとは反対のタイプ。
③アサーティブな自己表現
  •    自分のことを第一に考えつつも、他者にも配慮する自己表現。
  •    前の①②の間のちょうどよいバランス。後悔のない爽やかな自己表現。

誰もが、どのタイプにもなり得る

   誰もが、時にアグレッシブ、時にノンアサーティブ、時にアサーティブと様々な面を持っており、その時々の場面、相手、生じている事柄などで変化しています。

 

   アサーティブな自己表現を行うには、あなたが「どのような場面、人、事柄の時に、どのような自己表現を行いやすいか」について、自己理解を深めていくことが大切です。

非主張的(ノンアサーティブ)自己表現の心理状況

   本日はここからが本題です。

 

   ノンアサーティブについて、「アサーション入門」(平木典子,講談社現代新書、2016)では以下のような特徴が挙げられています。

・「言わない」「言いそこなう」「言っても伝わらない」など。自信なさげな小さい声や消極的態度も含む

・「言ってもわかってもらえない」など、諦めの気持ちが潜む

・相手に理解されにくい。自分としては配慮したつもりでも、それは伝わらず感謝されない

・コミュニケーションの後、「分かってもらえなかった」「譲ってあげたのに」「惨めだな」などの思いが残る。その理由は、心から相手を配慮し、尊重して同意したり、譲ったりした場合とは違うから。

・「いい人」と思われる一方、「都合のいい人」ともみなされがち。

・頼りにされ、排除されることはないのと引き換えに、本心は心理的負荷を負い、メンタルヘルス被害に陥っていくことにもなりかねない。

非主張的(ノンアサーティブ)自己表現の傾向が強い場合に気を付けたいこと

   上記の特徴と重複する部分がありますが、Life&Mindの記事で原賀彩子さんが分かりやすく説明をしています。

・ノンアグレッシブ(※本記事でいうノンアサーティブと同義です)の関わりを続けていると、本当は自分の主張があるのに抑え込んでしまう、言いたくても言えない、わかってもらいたい欲求を抱えたままの状態になります。

・いずれ、そうした鬱屈した不満や欲求が爆発してしまう可能性が…。
・そうなると、不満の矛先は2つです。

・1つは相手に対して、「なぜわかってくれないのだ」という怒りになってぶつかる。
・もう1つは、自分の中で精神的な負荷となってメンタルダウンしてしまう。

・ノンアグレッシブタイプでいることは、決して優しさや協調性ではありません

・自分の主張を伝えないことは、相手との間に信頼関係が築けないということです。

非主張的(ノンアサーティブ)自己表現の特徴のまとめ

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   ノンアサーティブな自己表現において、最も注意すべきは、

「自分の主張を上手く発信できずに、ずっと相手に合わせ続けることで、心や体への負担が大きくなる」

   ということです。

 

   前述の文献や記事に、私の経験を加えて考察すると… ノンアサーティブな自己表現を次の5点にまとめることができます。

 

  1. 言語的なメッセージだけでなく、声や態度、多分表情など、非言語のメーセージも消極的になる。
  2. 配慮している気持ちが相手に伝わらないので、やるせない結果になる。
  3. その場の対立を避けるために、時に必要な方法。しかし、継続すると相当のストレスが蓄積していく。
  4. 自分だけでなく相手も大切にできない心理状態になる危険がある。(例えば、突然感情が爆発してキレるなどもあり得る)
  5. 誰も傷つけていないのに、何も悪くないのに、自分自身に負担が重なる切ない状況が続く。

 

   私は、自己紹介の記事で、「以前に周囲を意識しすぎて、周りも自分の望まない辛い結果になったこと」「それが物凄い後悔だったこと」などを話しました。その時の私は、ノンアサーティブな自己表現をしていたのだと思います。

 

   なので、現在はアサーティブな自己表現を心掛けています。自分のストレスは減りましたし、人間関係についてプラスの変化を実感しています。

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   本日は非主張的(ノンアサーティブ)自己表現の特徴について、具体的に解説をしました。

 

  繰り返しですが、一番のポイントは

「自分の主張を上手く発信できずに、ずっと相手に合わせ続けるため、心や体への負担が大きくなる」

  ということです。

 

   最後に、セミナーなどで、「心から相手に合わせたいと思っている人であれば、全く問題はないのでは?」という質問を受けることがありますので、補足します。

 

   確かに本人が「周囲に合わせたい」と自ら選択していて、自分の気持ちを伝えた上で周囲に同調しているなら、全く問題ありません。むしろ、アサーティブな自己表現と言えます。

 

   同じように相手を気遣っていても、自分の気持ちを表現できないノンアサーティブの場合は、相手にはあなたの気持ちや気遣いは理解されないのです。ただの受け身のように思われてしまっています。

 

   あなたの気持ちが相手に理解されれば、相手のあなたに対する関わり方も変わります。アサーティブなコミュニケーションができると、お互いに相手を理解し合い、歩み寄るようになります。

 

   しかし、ノンアサーティブな自己表現のままでは、よほどの人でないと相手があなたに歩み寄ってくることはありせん。長い目でみれは、あなたのストレスが蓄積していく可能性が高いのです。

 

   ですので、ぜひアサーティブな自己表現を意識してみましょう。日頃のコミュニケーションについて、ストレスの少ないさわやかなものにしていただければ、幸いです。

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アサーティブな自己表現を行うノウハウはこちらの記事にまとめています。

参考文献

アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)

アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)

 

参考サイト

あなたのタイプと傾向は?人間関係・伝え方の悩みに特効薬『アサーション』3つの基本