気が強い攻撃的(アグレッシブ)自己表現の特徴は?自分や他人を傷つける…
先日の記事で、あなたのコミュニケーションの傾向をチェックいただきました。
「相手を自分の思うようにコントロールしたい」「不安になると、かえって強い言い方をしていまう」「自分の感情を抑えられない」などと思ったことはありますか?
また、責めるような言い方をしてくる上司や家族に悩まさせることは有りませんか?
本日は攻撃的(アグレッシブ)自己表現の特徴について解説します。
攻撃的(アグレッシブ)自己表現については、当てはまらないと思っている方が多いです。しかし、実は、特定の相手や場面においては、知らず知らずにアグレッシブになっていることがあるのです。
人間関係において、後悔しやすい自己表現の方法なので、ぜひ特徴を知っていただいて、アサーティブな自己表現を意識するきっかけにしていただければ幸いです。
- コミュニケーションの傾向のチェック
- 3つの自己表現のタイプ
- 誰もが、どのタイプにもなり得る
- 攻撃的(アグレッシブ)自己表現の心理状況
- 攻撃的(アグレッシブ)自己表現の傾向が強い場合に気を付けたいこと
- 攻撃的(アグレッシブ)自己表現の特徴のまとめ
- 参考文献
- 参考サイト
コミュニケーションの傾向のチェック
過去の記事で、自己表現の3つのタイプについてご紹介しました。併せて、20の質問に答えていただき、あなた自身の傾向を考えていただきました。
必須ではありませんが、過去記事をご覧いただくと、より理解が深まります。
3つの自己表現のタイプ
以下に簡単にまとめます。
①非主張的(ノンアサーティブ)自己表現
- 自分よりも他者を優先し、自分は後回しにする自己表現。
- 自分の思いを引っ込めてしまい、状況や周囲に流されてしまいがちな自己表現のタイプ。
②攻撃的(アグレッシブ)自己表現
- 自分のことだけをまず考えて行動し、時には他者を踏みにじることにもなる自己表現。
- ノンアサーティブとは反対のタイプ。
③アサーティブな自己表現
- 自分のことを第一に考えつつも、他者にも配慮する自己表現。
- 前の①②の間のちょうどよいバランス。後悔のない爽やかな自己表現。
誰もが、どのタイプにもなり得る
誰もが、時にアグレッシブ、時にノンアサーティブ、時にアサーティブと様々な面を持っており、その時々の場面、相手、生じている事柄などで変化しています。
アサーティブな自己表現を行うには、あなたが「どのような場面、人、事柄の時に、どのような自己表現を行いやすいか」について、自己理解を深めていくことが大切です。
攻撃的(アグレッシブ)自己表現の心理状況
では、ここからが本題です。
アグレッシブについて、「アサーション入門」(平木典子,講談社現代新書、2016)では以下のような特徴が挙げられています。
・「言いっ放しにする」「言い負かす」「命令する」「大声で怒鳴る」など
・相手を思い通りに操作しようとする表現(丁寧、優しい言い方を含む)
・相手の善意や同意につけ込み、自分の意見を通すことばかりを考える
・一見堂々としているようで、どこか防衛的で、必要以上に威張ったり、強がったりする傾向
・一時的には相手を従わせても、利害関係が無くなると孤立する可能性
・権威、知識、経験年数などを持つ方が陥りやすい
・自分の考えは優れいてる、自分の考えを通したいという心理
・実は相手への依存や甘えの心理が潜む
攻撃的(アグレッシブ)自己表現の傾向が強い場合に気を付けたいこと
上記の特徴と重複する部分がありますが、Life&Mindの記事で原賀彩子さんが分かりやすく説明をしています。
・アグレッシブな関わり方というのは、あなたがそんなつもりはなくても、相手にはそう映ってしまう場合があります。例えば、あなたが部下や子どもを持つ立場のときなどです。
・立場が上であるというだけで、相手にしてみればすでに強い影響力を持ちます。企業でのパワハラがいい例ですよね。部下がパワハラだと感じたかどうかであって、あなたの「そんなつもりではなかった」は通用しないのです。
・相手がノンアグレッシブである場合には、なおさら目に見えぬ力となって萎縮させてしまう可能性があるので要注意です。
・あなたが多くの人に立場的に影響を持つ場合には、常にアサーティブであるよう心がける必要があるでしょう。
攻撃的(アグレッシブ)自己表現の特徴のまとめ
「ノンアサーティブな側面に比べると、アグレッシブな部分はあまりないかな…」と感じる方が多いと思います。
しかし、「相手からするとアグレッシブに受け止められるかもしれない」というレベルで意識をしておく必要があります。特に、自分に余裕がない時や、相手に依存している時に、アグレッシブになりやすいのです。
前述の文献や記事に、私の経験を加えて考察すると… アグレッシブな自己表現を次の5点にまとめることができます
- 言い方に加え、自分の意見を押し通そう、相手を従わせようという思いがある。
- 相手の善意に甘えている部分があるため、言うことを聞いてくれる存在に対して、より態度が顕著になる(例えば、部下、家族など)。
- 伝えた側は満足しても、相手はストレスを感じるため、長期的には信頼関係を築けない。
- 信頼関係を気付けないので、かえって、周囲からの自発的な協力やサポートを得にくくなる。すると、一層アグレッシブな対応をしてしまうという悪循環になる。
- その時は満足しても、結局は自分自身も傷ついたり、後悔する可能性がある。
また、アグレッシブとノンアサーティブは凹凸関係で、より両者の特徴が悪い方に促進されていってしまいます。アグレッシブな人に対して、ノンアサーティブな人はますます自己表現ができなくなる…するとアグレッシブな態度はもっと顕著になる…という構図です。
主張を抑えられ続けたノンアサーティブな人が、抑うつ症状になったり、反対にある日突然、キレるなどのアグレッシブな態度に豹変することもあるかもしれません。
アサーティブな対応をどちらかが(もちろん両方が出来ることが最善ですが)取ることで、悪循環から抜け出すことが大切となります。
いかがでしたか? ご自身に当てはまるという方もいれば、職場や家族など、周囲に当てはまる人がいるかもしれませんね。
注意しないといけないのは、アグレッシブなことを自分では自覚し難い点です。
例えば、口調が優しいためにアサーティブに見えても、実は、相手を説得しようとか、コントロールしようとする場合があります。
また、特に部下や妻、子どもに対して無意識にアグレッシブなコミュニケーションを取ってしまっていることもありえます。
ですので、アサーティブな自己表現をしっかりと意識しておくことをおすすめします。
なお、不幸にもアグレッシブ傾向が強い上司に巡り合ってしまった場合は、ノンアサーティブでいることはますます状況を悪化させます。アサーティブなコミュニケーションをとることが自分を守ることにもなるのです。
アサーティブなコミュニケーションを行うノウハウは、こちらの記事で紹介をしていますので、ぜひご覧ください。
参考文献
アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)
- 作者: 平木典子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/02/17
- メディア: 新書
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参考サイト
あなたのタイプと傾向は?人間関係・伝え方の悩みに特効薬『アサーション』3つの基本