晴れ晴れ生活のつくりかた研究室

プロカウンセラー歴15年以上のアラフォーパパのブログ。読者も私も前向きになれる記事を書きたい。純粋な気持ちです。

人間関係のストレスを無くしたい…自分のコミュニケーションをチェックしよう!

   「自分の気持ちを上手く伝えられない」「相手と衝突してしまう」「遠慮してストレスを溜めてしまう」など、人間関係やコミュニケーションに悩んだり、ストレスを感じることはありませんか?

 

   「もっとスムーズに他者とコミュニケーションを取りたい」と思うことはありせんか?

 

   スムーズにコミュニケーションを行うために必要な方は何か…??

 

   実は、あなた自身が、自分のコミュニケーションの傾向に気付くことが、大きな第一歩になります。

 

   前回の記事では、自分も相手も大切にする「アサーション」の考え方をお伝えしました。

 

   今日はアサーションの理論をベースに、あなのコミュニケーションの傾向について、あなた自身が理解するための記事をまとめています。

 

   ぜひ、最後までご覧ください。

 

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アサーションとは

  •     自分と相手のどちらかが痛みを受ける方法ではなく、自分も相手も大切にする自己表現を心がけることが「アサーション」の考え方。
  •     いわゆるWIN-WINの関係を目指すコミュニケーションのスタイル。
  •     コミュニケーションに対する自分自身の考え方やスキルを改めて理解できる奥深さもある。

 

※詳しくはぜひ前回の記事をご覧ください。

あなたは、どのような自己表現をしていますか?

 

   では、あなたが普段のコミュニケーションの中で、どのような自己表現をしているのかを、チェックしてみましょう。

 

   次の質問リストについて、「はい」「いいえ」のいずれかを選択してください。迷う質問もあるかもしれませんが、必ず、どちらか一方を選んでください

 

   チェックリストは、様々な記事で紹介されていますが、アサーションの第1人者である平木典子先生の著作「アサーション入門」(講談社現代新書、2016)から引用させていただきます。

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1.自分から働きかける行動

①人にいい感じを持ったとき 、その気持ちを表現できますか ?

②自分の長所やなしとげたことを 、人に言うことができますか ?

③自分が神経質になったり 、緊張したりしたとき 、それを受け止め 、伝ることができますか ?

④初対面の人たちの会話の中に 、気楽に入っていくことができますか ?

⑤会話の場から一足先に抜けて 、立ち去ることができますか ?

⑥あなたは自分の知らないことや分からないことがあったとき 、そのことについて説明を求めることができますか ?

⑦人に支援や助けを求めることができますか ? 

⑧人と違う意見や感じを持ったとき、それを表現することができますか?

⑨自分が間違っていると気づいたら、それを認めることができますか?

⑩フェアで適切な批判を、人前で述べることができますか?

2.人の働きかけに対応する行動

①人からほめられたとき、素直に「ありがとう」と言えますか?

②自分のしたことを批判されたときに、きちんと受け答えできますか?

③不当な要求をされたとき、断ることができますか?

④長電話や長話のときに、自分から打ち切る提案をできますか?

⑤あなたの話をさえぎって話し出した人に、対応することができますか?

⑥パーティーやイベントへの招待を、率直に受けたり断ったりできますか?

⑦訪問販売を断りたいとき、断ることができますか?

⑧レストランで注文したものと違う料理がきたとき、そのことを言って、取り替えてもらうことができますか?

⑨人の善意や好意がわずらわしいときに、それを伝えることができますか?

⑩人から援助やアドバイスを求められたとき、必要であれば断ることができますか?

チェック内容を振り返りましょう!

   いかがですか?スムーズに答えられましたか?

 

   「『はい』のときも『いいえ』の時もある…」と悩む質問もあったと思います。その場合は、「どちらかというと『はい』の方が多いかな?」と傾向で答えたり、「あの時は『いいえ』だったな」と、印象に残ったエピソードで考えてください。

 

   こういう時に思い出す場面って、やっぱり何かしら心に引っかかっている等、あなたにとって重要な場面だと思いますので。

「はい」を選んだ項目について

  「はい」を選んだ項目は、あなたが自分の気持ちを表現できている場面となります。

 

   ただし、ここで大事なことがあります。

 

  「はい」と答えた項目の中で、その時にイメージした相手に対してネガティブな感情が生じていませんか?  例えば、イライラする、腹が立つ、排除したい、近づきたくない等です。

 

   もし、ネガティブな感情が生じた項目があれば、頭の中でネガティブチェックをしておいてください。場合によっては、相手を大切にしていない表現を行っている可能性があります。

 

「いいえ」を選んだ項目について

  「いいえ」を選んだ項目は、自分の気持ちを相手に向けて表現していないことになります。遠慮がちであったり、引っ込み事案であったり、消極的であったり、自分を大切にできていない可能性があります。

チェック内容のまとめ

   では、改めて、あなたのチェック内容を確認してみましょう。

 

「はい」を選んで、かつ、ネガティブチェックが入っていない項目の数を数えてください。

 

   平木先生がおっしゃるには、その数が10以上なら、アサーションの考え方である「自分も相手も大切にする自己表現」がかなりできてるとのことです。

人間関係における自己表現のタイプ

   アメリカの心理学者Wolpe,j.は人間関係における自己表現には大きく3つのタイプがあると言っています。現在のアサーショントレーニングは、この3つのタイプ分けをもとに成り立っています。

①非主張的(ノンアサーティブ)自己表現

   自分よりも他者を優先し、自分は後回しにする自己表現です。先ほどのチェックでは「いいえ」に該当します。自分の思いを引っ込めてしまうことで、状況や周囲に流されてしまいがちな自己表現のタイプです。

 

  私が思うのは、「ストレスを溜めやすいこと」「受け身になってしまうこと」が特徴です。また、溜めたストレスによって、気持ちが落ち込んだり、怒りになって爆発する場合もあります。

 

②攻撃的(アグレッシブ)自己表現

   自分のことだけをまず考えて行動し、時には他者を踏みにじることにもなる自己表現です。

   

   先ほどのチェックでは「はい」を選び、かつ、ネガティブチェックを入れた項目で起きやすい自己表現であり、ノンアサーティブとは反対のタイプです。

 

   私が思うのは、「その時はすっきりしても、信頼関係が築けないため、後悔しやすい」のが特徴です。このような状況が続けば、結局ストレスを溜めてしまいます。

 

③アサーティブな自己表現

   自分のことを第一に考えつつも、他者にも配慮する自己表現と言えます。前の①②の間のちょうどよいバランスであり、後悔のない爽やかな自己表現方法です。

 

あなた=このタイプと固定する訳ではない

   3つの自己表現のタイプについて、ご紹介しましたが、一つ大切なことを共有させてください。

 

   「アサーション入門」(平木典子,講談社現代新書、2016)で、平木先生は次のように述べています。

三つのタイプの自己表現のどれかだけで100パーセント、という人はめったにいません。状況や相手に応じて3つのうちどれかを無意識に使っているのが普通です。ただ、どの自己表現の割合が大きいかは人によってちがいます。

   3つのタイプをもとに、あなたの傾向を考えていただきたいのですが、「あなた=このタイプ!」と安易に枠にはめ込むことは、決してお勧めしていません

 

   アサーションに関する様々な記事をみていると、分かりやすい半面、時に枠にはめ込んでしまうような内容も散見されますので…

 

   例えば、私は、先のチェック項目では、ほとんどがネガティブチェック無しの「はい」を選んでおり、その意味ではアサーティブなコミュニケーションができていると言えます。

 

   しかし、2の⑩の項目「人から援助やアドバイスを求められたとき、必要であれば断ることができますか?」は「いいえ」と答えています。

 

   相談や依頼ごとが増えてしまい、忙しさで余裕が無くなっても、人からの相談を断るのは苦手なのです…

 

   あなた自身の自己表現の中でも、時にアグレッシブ、時にノンアサーティブ、時にアサーティブと様々な側面があり、その時々の場所、相手、生じている事柄などで変化しているのです。

 

   職場ではノンアサーティブなパパが、家ではアサーティブということも十分あり得ます。

 

   普段はアサーティブなママでも、子どもの受験の話しになるとアグレッシブということもあり得ます。

 

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   本日、私がお伝えしたいのは、「私はこのタイプ」と安易に決めつけて、伝え方の手段を取り入れるのではなく、あなたがどのような場面や人、事柄の時に、どのような自己表現を行いやすいかについて、まずは自分のことを理解していくことが大切だということです。

 

   ハウツーで伝え方を取り入れても、結果、上手くいかなければ、後悔すると思いますし、ハウツーで上手くいくようなことであれば、コミュニケーションで困るわけがありませんから…

 

   そのために、次回は3つのタイプについて、もう少し深堀をして考えてみたいと思います。バランスは違っても、だれもが3つのタイプの要素を持っているはずなので、きっと参考になります。

 

  「私はこういう場面ではノンアサーティブになりやすい。だから、ここを意識してアサーティブを心掛けよう!」など、まずは自分の傾向に気づくことが、ストレスの少ない人間関係をつくる第一歩です。

 

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※6月8日21:28最新記事更新

アサーティブなコミュニケーションを行うための具体的なステップを記事にしました。実用性のあるノウハウなので、ぜひこちらもご覧ください。

参考文献

アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)

アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)