コミュニケーション能力を高めるには?まずは、自分を大切にしよう。
あなたは「コミュニケーションが苦手…」「人間関係が不安…」などの悩みを抱えていませんか?
そして、「自分のコミュニケーション能力が低い」と落ち込んでいませんか?また、「コミュニケーション能力を高めたい…」と考えたりしていませんか?
コミュニケーション能力を高める方法はたくさんありますが、今日はコミュニケーション能力を高める土台として、まずは、あなた自身を大切にすることの重要性についてお伝えします。
メンタル不調になりやすい方の傾向
長年職場のメンタルヘルスに関するカウンセリングをしていると、職場でのコミュニケーションや人間関係が上手くいかず、メンタル不調になった方に多く出会います。
また、社会生活において他者とのコミュニケーションは避けれません。家族、友人などインフォーマルな場面でストレスを溜める方も大勢います。
メンタル不調になってしまった方と相談すると、次のような話をよく聞きます。
- 頑張って頑張って相手を理解しよう思っている…
- 相手に悪く思われないように自分の気持ちを抑えている…
- 相手の言うことを理解できないと申し訳なく思ってしまう…
- 相手に分かってもらわないといけないと思い、とにかく必死に説明してきた…
- 時に感情が高まり、相手を責めてしまうこともあった…
一例ではありますが、多くの方が「相手にどう思われるか?」「相手にどう思ってもらうか?」など、自分よりも相手の気持ちに関心が向いているのです。
そして、相手と上手く関係を構築できない中で、自分の力不足を嘆いたり、相手に怒りの感情を向けたり…自分自身が消耗してしまいます。
本来はとても優しく、他人思いの方が大勢いらっしゃいます。私は、そんな方たちに出会うたびに、もっと「自分を大事にしたコミュニケーションをとって欲しい」と投げかけています。
コミュニケーションの定義
communicationの意味は以下のとおりです。
①社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。言語・文字・身振りなどを媒介として行われる。「コミュニケーションをもつ」「コミュニケーションの欠如」
②動物どうしの間で行われる、身振りや音声などによる情報伝達。
[補説]「コミュニケーション」は、情報の伝達、連絡、通信の意だけではなく、意思の疎通、心の通い合いという意でも使われる。「親子の―を取る」は親が子に一方的に話すのではなく、親子が互いに理解し合うことであろうし、「夫婦の―がない」という場合は、会話が成り立たない、気持ちが通わない関係をいうのであろう。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
ポイントは、コミュニケーションとは双方向のものであり、意志、感情、思考、情報等を伝える媒介は、言葉や文字だけでなく、表情や身振りといった非言語のものも含んでいるということです。
コミュニケーション能力やスキルを本格的に高めるには、これら全てを磨いていく必要があります。
最高と思えるコミュニケーションを取るのは困難
「コミュニケーション&難しい」で検索すると、相当のサイトやつぶやき等がヒットします。
単純に、気持ちや情報の疎通が上手くいかないというレベルで、失敗エピソード例をあげてみます。
- 言いたいことがあっても遠慮してしまう
- 自分の気持ちを全く理解してもらえない
- 話を聞いているつもりが、全然わかっていないと言われた
- 普通に挨拶をしたら暗いと言われた
- 本当は慰めたかったのに傷つけてしまった
- 一生懸命意見を言ったのに自分勝手と言われた
- 問題の解き方を教えても理解してもらえない
- 子どもに指摘をしてもうまく伝わらずただ逆ギレされる
- 基本的に何を話したらよいか分からず、黙ってしまう
- 普通に生活をしていたのに、ある日突然怒られた
- とりあえず疲れるので、最低限の会話しかしないようにしている
- SNSでは交流できるが、直接の会話は苦手
- 愛想のない定員の対応でなんかムカついた
- 自分だけ仲良く話してもらえてない気がする
- 大切な人には、わざわざ言わなくても理解していてほしい
- いつもニコニコしていたら、感情がないと言われた
- 全く自分の意図と違う理解をされてしまった
- お酒の席でからんでしまった
などなど、キリがありません。
つまり、私が言いたいのは、
最高のコミュニケーションを常に取り続けるのは難しい!
ということです。
どんなコミュニケーションをあなたは目指すのか?
コミュニケーションは生き物です。その時あなたが何を伝えたいか、相手とどんな関係を望んでいるのかなどで、伝え方や聞き方は大きく変わっていきます。
例えば、Aさんという人に対して、好意をもっているBさんと、苦手意識を持っているCさんでは、Aさんに対する最善のコミュニケーションの方法は一緒でしょうか?たぶん真逆になりますよね。
仮にAさんとの関係性がますます濃密になっていく結果になった場合、Bさんは上手にコミュニケーションを取れたと感じるでしょうし、Cさんは失敗したと感じるはずです。そして、この状態が続けばCさんは大きなストレスを感じるでしょう。
加えて、先程上に記載したコミュニケーションの失敗例を見たとき、あなたは「こんなの当たり前で全然気にしない」と思いましたか?それとも「これは本当に困っている。改善したい」と思いましたか?
おそらく、様々な感じ方があると思います。人それぞれ、コミュニケーション能力といっても、求める内容やレベルは異なるわけです。
どんなにコミュニケーション能力を高めても、全ての人に、自分の思うように理解してもらうことは不可能なんです。
自分の気持ちを大切にするコミュニケーション
別の例えです。会話などの流れの中で、自分の意思に反して伝えてしまった場合と、自分自身が言いたいと選択したことを伝えた場合を想像してください。
もし、どちらも同じように相手を不快にさせてしまった場合、結果に対する受け止め方や気持ちは違ってきませんか?
前者の場合は、嘆き、やるせない気持ちになるでしょう。反対に、後者の場合は、少なくとも自分で選んだことなので、やるせなさよりは、反省の気持ちが強くなってきます。後悔の念が軽くなります。
つまり、「相手にこう思われたい」などの相手に依存するような考え方よりも、「自分はこう伝えたい」という自分の気持ちを大事にするコミュニケーションの方が心の健康によいのです。
そして、自分の気持ちを大切にするコミュニケーションができて、初めて、心から相手の気持ちを大切にできるようになっていきます。これこそが、コミュニケーション能力を高める確かな土台となります。
最後に、自分の気持ちを大切にするコミュニケーションの方法をお伝えします。
相手へのベクトルを緩める
まずは、相手にどう思わるか…この考え方に支配されるのをやめましょう。この考え方に引っ張られ過ぎると、ただただ、相手に反応するコミュニケーションになってしまいます。
そして、上手くいかないコミュニケーションが続くと、後悔やストレスばかりが蓄積されています。
自分自身の気持ちに向き合う
次に、目の前の相手に対して、あなたは「どんな気持ちなのか?」「どうしたいのか?」と、自分の素直な気持ちに耳を傾けてください。
決して、綺麗な気持ちだけではないかもしれません。それでも良いのです。まずは自分の正直な気持ちに向き合ってください。
自分の意思で、伝えることを選ぶ
その上で、あなたは「何を伝えたいか?」を考え、相手に発信をすることになります。この時、自分の気持ちをそのまま声に出しても良いですし、自分の気持ちと現実を照らし合わせてベストだと思う伝え方に変換するのも良いです。
大事なのは、あなたが自分の素直な気持ちを尊重した上で、相手に伝えることを決めることです。
この3つのプロセスを意識しながら、コミュニケーションをとってみてください。がむしゃらにノウハウだけを求めたり、自分の能力の無さを嘆くよりも、確実に心の負担が軽くなります。
さらに、この考え方によるコミュニケーションを繰り返すことで、コミュニケーション能力やスキルは必ず向上します。
次回は、具体的にコミュニケーション能力を高めたい方に向けて、役立つノウハウや技法をご紹介します。
コミュニケーションに悩むあなたに、参考になれば幸いです。