ストレスと上手に付き合うための講座②「ストレスを感じやすい人と感じにくい人」
こんにちは。ハレバレです。
前回は「そもそもストレスとは何か?」についてお話ししました。
そして、ストレスと上手に付き合うことは自身の人生を豊かにすることに繋がる!ことだとお伝えしたところです。
本日はストレスを感じやすい人と感じにくい人についてお話します。
とてもシンプルな考え方ですが、既知か未知かで大きくストレスケアのスキルに差が出るところです。ぜひ参考にしていただけければ幸いです。
ストレッサーには物理的刺激と心理的刺激がある
人は何らかの刺激を受けたときにストレス状態になります。そして、その刺激の事を「ストレッサー」と言います。※ぜひ前回の記事をご参照ください。
ストレッサーは大きく物理的刺激と心理的刺激の2つに分類されます。
物理的刺激
暑い、寒い、痛み、痒み、眩しいなど、物理的な実態のある刺激を言います。現在(7月)は高温多湿の毎日で、私は強いストレスを感じています。
心理的刺激
心に影響を受ける出来事を言います。物理的刺激と違って、受け手の意識で意味が大きく変わる刺激です。例えば、上司から強く叱責を受けた場合、「まあ仕方ないかな」と思う人と、「私の職業人生は終わった」と思う人では、心理的刺激の強さが大きく異なります。
物理的刺激の場合は、例えば暑い日はエアコンをつける等、刺激を回避すればストレスを解消できますが、心理的刺激の場合は単純ではありません。
上司に叱責された場合、人によっては会社から自宅に戻った後も心理的刺激の影響力は残り、ストレス状態が続いてしまいます。一日ではスッキリできず、落ち込みが続く場合もあります。
ストレスを感じやすい人とは?
ストレスケアのポイントとして、同じストレッサーでも、それに対する反応は人によって異なることを抑えておく必要があります。特に心理的刺激の場合はその差が顕著です。
例えば、学校の授業でスピーチをする際に、皆の前で話すことが好きな人によっては、先生に指名されても、大きなストレッサーになりません。むしろ「適度なストレス状態」となります。
一方、人前で話すことが苦手な人が先生に示されると、ものすごい緊張感が生まれます。心拍数の増加、失敗したらどうしようという不安の高まり等、急性のストレス反応が生じます。
また、スピーチの結果、ある一人のクラスメイトから「あんまりだったな!」と言われた場合、「あいつは全然わかっていない」「全員から良かったといわれるのは難しい」等と思う人と、「やっぱり自分はダメだ」「皆にあんまりと思われた」と思う人では、ストレス反応の強さは全く異なります。
ストレス発生のメカニズム
前回の記事と重複しますが、ストレスの発生メカニズムは次の通りです。
- 何かしらの刺激(ストレッサー)が生じる。
- 刺激に対して、受け止める側が評価する。
- 評価の仕方によって、様々なストレス反応が生じる。
大きく言えば、この3工程です。至ってシンプルですよね。
前述のスピーチの結果の例に当てはめると次のようになります。
- ある一人のクラスメイトから「あんまりだったな」と言われたこと
- 「あいつは全然わかっていない」「全員から良かったといわれるのは難しい」「やっぱり自分はダメだ」「皆にあんまりと思われた」などの主観
- 「やっぱり自分はダメだ」「皆にあんまりと思われた」と思った人は、落ち込み、苛立ち、悲観、脱力感等の反応。一方、「あいつは全然わかっていない」「全員から良かったといわれるのは難しい」と思った人は、特にストレス反応は無し。
つまり2の「評価」の仕方によって、ストレス反応が大きく異なることがお分かりになると思います。
「有害性」と「対処可能性」の2つの評価
刺激(ストレッサー)に対する評価には2つの側面があります。
一つ目は刺激が自分にとって有害かどうかです。「害」「損」「脅威」などを感じる場合は有害と評価されます。
2つ目は、発生した刺激に対して自分が対処できると思えるかどうかです。対処ができないと感じる場合は、刺激は強いストレッサーとなります。
刺激に対して有害と判断しなければ、その刺激はストレッサーになりません。また、有害と判断しても、何んとか対処できると思えれば、さほど大きなストレッサーにはならないのです。
具体例で考えてみよう
仕事である重要な案件を任された場合を考えてください。「重要な案件を任された事実」が刺激です。
Aさんは
と考えます。そもそも刺激がストレッサーにならないタイプですね。
Bさんは
と考えます。刺激は有害と判断されストレッサーになります。しかし、対処できると考えており、強いストレス反応にはつながりません。
Cさんは
と考えます。このパターンが最も強いストレス反応につながります。不安感や緊張、焦燥感が日増しに強くなっていく可能性が高いです。
このように、出来事に対して大きな脅威と感じる傾向のある人や、出来事に対して自信をもって臨めない人ほどストレスを感じやすい人と言えます。
反対に言えば、根拠なく脅威を感じてしまいやすい人は、「本当に脅威なのかな?」と自分の受け止め方を冷静に眺めるスキルを身に着けると、ストレスケアがぐんと上手になります。認知行動療法の考え方にも繋がっていくところです。
本日はストレスと上手に付き合うための講座②として、「ストレスを感じやすい人と感じにくい人」についてお話しをしました。
ポイントは大きく次の5点です。
- ストレッサーには物理的刺激と心理的刺激がある
- 心理的刺激の強さは受け手の評価で大きく異なってくる
- 受け手の評価には「有害性」と「対処可能性」の2つがある
- 有害性の過大評価、対処可能性の過小評価がストレスを強める
- 評価の方法を工夫するスキルこそがストレスケアのコツ
次回は、ストレスを高めてしまう評価のやり方について、詳しくご説明をしますね。