ストレスと上手に付き合うための講座③「ストレスを強くしてしまう6つの考え方」
こんにちは。ハレバレです。
講座②ではストレスの強さは受け手の評価によって変わることをお話ししました。
特に「有害性」と「対処可能性」の観点から、出来事に対して大きな脅威と感じる傾向のある人や、出来事に対して自信をもって臨めない人ほどストレスを感じやすいことをお伝えしました。
では、なぜ有害性を過大評価してしまったり、対処可能性を過小評価してしまうのでしょうか?
本日は、そのような評価の偏りを引き起こしてしまう6つの考え方について、ご紹介をします。どんな方でも、何か一つは当てはまる部分があると思いますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
認知の偏りとは非合理な思考
人はすべての出来後や物事に対して、常に冷静に、合理的に解釈をすることができる訳ではありません。あなたにも、振り返れば「あの時、なんであんな風に考えてしまったのだろう…」と思うことがありませんか?
誰もが、それまでの経験で染み付いた感情や思考、その時のコンディションなどによって、自分でも驚くくらい非合理的な思考に陥ってしまうことがあります。
この非合理的な思考を「認知の偏り」と言います。
例えば、3年間仕事を続けてきた人が、一度の仕事のミスで「自分は全く仕事ができない。未来がない」と落ち込んでしまうことは、非合理的であり、認知の偏りが伺えます。
これまで3年間働いてきた実績や積み重ねが置いてきぼりになっていますよね。本人の感情面の落ち込みはあるとしても、冷静に考えると「全く仕事ができない」「未来がない」には根拠がありません。
このような認知の偏りは、「有害性の過大評価」を生み出してしまいます。
ここからは代表的な6つの認知の偏りについて、ご説明します。
1.過度な一般化
少ない事実や出来事を取り上げて、それがあたかも一般的、普遍的、原則的なことのように決めつけてしまうことです。
例えば、一度のミスで「自分は仕事が向いていない」と決めてしまうこと、一人に嫌われただけで「自分は誰からも好かれない」と決めてしまうことです。
2.二分割思考・白黒思考
物事があいまいな状態にあることを良しとせず、常に明確に白黒をつけようとする思考です。いわゆるグレーの考え方がないタイプです。
例えば、「結果が伴わなければすべて失敗」「100%達成しないと意味がない」「どちらかを選ばないといけない」等の考え方です。
3.べき思考
自分や他人の言動を「こうあるべきだ」「こうしないといけない」等と決めつけてしまうことです。
例えば、「男は厳しくあるべきだ」「部下なら上司に自分から挨拶するべきだ」「母親が家事をするべきだ」等と相手に求める思考です。二分割思考・白黒思考に似ている部分もあります。
4.自己関連付け
何か悪いことが起こると、実際には何の関係もないのに、「自分が何か悪かったのではないか?」と自分を責めてしまう思考です。
例えば、「同僚が注意されているのは、私がフォローしなかったからだ」「彼が調子を崩したのは私が冷たくしたからだ」等の考え方です。
5.破局視
ちょっとした失敗であっても、取り返しのつかない、最悪の失敗であるかのように考えてしまうことです。過度な一般化をさらに、人生のマイナスとして強めたような思考です。
例えば、一人の人に嫌われただけで「もう生きていけない」「自分には何の価値もない」と考えることです。
6.読心
実際には相手が言ったわけでもないのに、勝手に相手の気持ちを推測し、決めつけてしまう考え方です。
例えば、上手に話せなかった時に「きっと相手に馬鹿だと思われた」とか、朝挨拶をして返事が返ってこなかった時に「嫌われているに違いない」等と決めつける思考です。
本日はストレスを強くしていまう6つの考え方をご紹介しました。
いくつか、陥りそうなものはありましたか?
ちなみに私は2「二分割思考・白黒思考」、3「べき思考」、6「読心」に陥りがちと自己分析しています。特に6「読心」をしないように普段から気を付けています。
ちなみに、6つの内容を可能性の一つとして想像すること自体は全く問題ありません(破局視は少々強いですが…)。色々と可能性を想定することは、ある意味柔軟な想像力という強みです。
大切なのは「決めつけてしまうか」どうかです。「私は大丈夫」「決めつけたりはしない」と自信をもっていえますか?実は意外も難しいのです。
なぜなら、忙しい時、疲れが溜まっている時、落ち込んでいる時、根を詰めている時、対象に全力を注いでいる時…
つまりあなたが冷静な思考を保てないコンディションの時に飲み込まれてしまうことがあるのです。
でも、知識として知っていることで、「あっ、今読心をしてしまっている」等と気づけば、普段の自分に立ち戻ることができるのです。
次回からはいよいよストレスへの対処方法についてお話ししますので、現段階でぜひストレスを強くしてしまう6つの考え方を抑えておいてくださいね。